足利事件の再審で無罪判決が言い渡されました。菅家さん、本当におめでとうございます。
菅家さんには、昨年、京都にお越しいただき、講演していただきました。正式に無罪となったこと、心からお喜びします。
しかし、私たち法曹は、なぜこのような悲劇が生じたのか、真摯に反省しなければなりません。
実際の弁護活動の中でも、何度も、えん罪ではないか?と疑問に思う判決を食らわされることがあります。
絶対に無罪の人を処罰してはならない、そのための「合理的な疑いを越える証明」「無罪推定」という大原則が、日本の刑事裁判では機能していないとしか思えません。
足利事件を謙虚に受け止め、「無辜の不処罰」という原則を貫くことの重要性を確認すべきです。
第三者委員会による誤判原因の究明、取調べの全面可視化、代用監獄の廃止、
足利事件の反省として、この3つは早急に実現されなければなりません!!
京都北ライオンズクラブにお招きいただき、京都における裁判員制度の状況や課題についてお話しさせていただきました。
裁判員に選ばれたときに、裁判を10倍楽しむためのポイントについてもお話をさせていただきました。
ポイントは・・・・・
①検察官・弁護人を見て楽しむ。被告人の人生を追体験する。
②評議で、裁判長の司会ぶりを採点する。
③判決で、社会に対してメッセージを発信する。
詳しくは、また、まとめて報告したいと思っています。
高知で開催された日弁連刑事弁護経験交流集会に参加してきました。四国地域における保釈の実情や、刑事裁判への被害者参加の課題について活発な議論が繰り広げられました。また、高知名物のカツオのたたきやいも天、フルーツトマトなどおいしいものもたくさんいただきました。
京都府警の警察学校で、講話をしました。テーマは、警察官の証人出廷です。警察官の方も、捜査や取調べの状況等について、法廷で証言する機会が増えています。ベテラン刑事のみなさんに、弁護人の反対尋問は何を狙っているのか、弁護人の反対尋問にどのように対応すればいいのかを話してきました。みなさん、とても熱心に聴講して下さいました。
裁判員裁判で弁護人をつとめました。事件は、平成21年4月に、京都市伏見区で発生した殺人・窃盗事件でした。京都地裁では、第4号事件となる裁判員裁判です。一般市民の裁判員が加わったことにより、これまで以上に緊張感のある審理になり、裁判員制度の大きな意義が実感されました。
判決では、被害者宅から盗み出した現金を短期間で費消してしまった事実が、反省のなさとも見える反面、人間の持つ弱さからでたものとも考えられるので悪い情状としては考慮しないなど踏み込んだ判断がされました。これまでの裁判ではなかったことで、裁判員が加わったことにより、被告人の心情や人の弱さに対して評議で十分に議論されるようになったことがわかります。
「入門・法廷戦略」の出版を記念して、京都弁護士会館で、出版記念講演会を開催しました。講演会では、裁判員裁判による弁護活動の変化、法廷戦略・シナリオの重要性について話をしました。当日は、60名以上の方にご参加いただきました。また、講演会では、京都ノートルダム女子大学学長藪内稔様、京都弁護士会副会長池上哲郎様からお祝いのご挨拶をいただいたほか、千葉景子法務大臣からも祝電をいただきました。
講演会終了後には、ミシェランで☆を獲得したホテル「THE SCREEN」で出版記念パーティーを開催しました。こちらも、大勢の方にご参加いただき、ありがとうございました。これからも、より優れた弁護活動を目指して研究活動をすすめていきますので、ご支援をよろしくお願いいたします。
夏に研修に参加したIPSインストラクター研修の認定試験が実施され、無事に合格することができました。弁護士も裁判ばかりでなく、人前で講演したり、大学で教えたり、弁護士に研修したりする機会も多く、今回学んだことを活かしていきたいと思います。
東京・青山にあるNPO法人国際プレゼンテーション協会で、インストラクター資格取得のための研修を受講してきました。人に教えるとはどういうことか、どのようにすれば効果的に教えることができるのかを学んできました。大学での授業ばかりでなく、弁護士として研修指導を行うとき、法廷で説得をする時にも役に立てていきます。
全国の法務局で、子どもの人権110番が実施されます。
学校や家庭で困っているこどもたち、お母さん、お父さん、
電話番号0120-007-110 小さなことでも相談してください。
詳しくは・・・・法務局人権擁護局のHPでご確認下さい。
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken136.html
私も、京都地方法務局で相談を担当します。

全国盲人福祉大会(同実行委主催)の関連事業として行われた裁判員模擬裁判が、京都市北区の京都ライトハウスで実施され、弁護人役として参加してきました。模擬裁判は、強盗致傷事件を想定して、全盲の方2人、弱視の方2人が裁判員として参加されました。被告人が犯人かどうかが争点でしたが、被告人が持っていた紙幣にホチキスの跡があり、また、被害者が紙幣を入れていた封筒にもホチキスの跡が残っていたことから、被告人の持っていた紙幣が被害者から奪われたものだと検察官は主張していました。しかし、裁判員の一人が、実際に封筒に紙幣を入れてみる実験をして、紙幣のうち1枚にしかホチキスの跡がついていないのは疑問である、被告人の持っていた紙幣は被害者から奪われたものとは言えないと指摘し、全員一致で無罪となりました。
視覚障害のある方でも、伝え方を工夫し、時間をかければ十分に審理を理解してもらうことができることが分かりました。
いよいよ、裁判員制度がスタートしました。また、勾留された後の捜査段階にも国選弁護人がつく被疑者国選弁護人制度も本格始動しました。
裁判員制度には賛否両論ありますが、これまでの「絶望的」といわれる刑事司法を打ち砕く、チャンスになりうる制度だろうと思います。
これらの制度を担う弁護士の努力次第で、良い制度にも、悪い制度にもなりえます
被疑者・被告人の正当な権利を守り、冤罪を防ぎ、そして、刑事裁判が、この国に、この社会に希望というメッセージを発信できるよう、全力を尽くしたいと思います。
制度初日、京都弁護士会では、弁護士向けに裁判員裁判における情状弁護の研修を実施しました。
多くの弁護士が参加し、約4時間弱の熱のこもった研修となりました。

新年度がスタートし、京都弁護士会も新会長のもと新しい体制で始動しました。
当職も、昨年度に引き続き、刑事委員会委員長を務めさせていただくことになりました。
裁判員制度、被疑者国選弁護第2段階という、刑事裁判の大きな転換期となる本年に委員長という重責を務めさせていただくことに身の引き締まる思いです。
また、5月からは、日弁連の刑事弁護センターの委員にも就任することになりました。
変革期ということで、刑事裁判に関わる仕事ばかり増えていきますが、被告人の人権を守り、司法を市民のためのものとするため、粉骨砕身努力して参ります。

今夏、裁判員制度における法廷戦略に関する本を出版することになり、原稿執筆のための一泊二日で行いました。国際プレゼンテーション協会の八幡理事長、京都弁護士会の遠山大輔弁護士とともに、法廷戦略について議論を尽くしました。
現代人文社から7月発刊予定です。乞うご期待!
京都市左京区のショッピングセンター「カナート洛北」で裁判員制度のPRイベントを行いました。
キャラクターマスコット「サイサイ」も登場し、クイズラリーや模擬裁判、ペーパークラフト作りに、多くの買い物客の方が参加してくださいました。
裁判員制度の意義や取り調べの可視化を訴えるパネルにも、多くの方が関心を示していただきました。
私も、模擬裁判で裁判官役を演じさせていただき、「合理的な疑いを越える証明」がないと有罪にはできないと刑事裁判のルールへの理解を求めました。
遠い先の話と思っていた『2009年』がとうとう明けました。
裁判員裁判、被疑者国選が始まります。
この国の刑事司法に革命を起こすことが出来るのか、弁護士の真価が問われます。
模擬裁判ではない、本当の裁判員裁判で力を発揮できるよう努力を続けます。

学校法人ノートルダム女学院の監事を務めさせていただくこととなりました。学校法人の運営に携わるのは初めてのことですが、大変興味深い分野での活動の機会をいただき、とても楽しみにしています。
京都弁護士会主催第38回憲法と人権を考える集い「Are you ready?裁判員制度」のメイン企画である京都駅ビル大階段(室町小路広場)でのイベントを開催しました。私も、実行委員会副委員長として、約10ヶ月にわたって企画に携わってきました。
この企画は裁判員制度をテーマにしていますが、3つの狙いをもっていました。
1つめは、市民のみなさんに裁判員制度・刑事裁判のことをよく知ってもらうこと。
2つめは、市民のみなさんに弁護士の存在を身近に感じてもらうこと。
3つめは、企画に関わった弁護士達が、裁判員制度に意欲を持って取り組むきっかけとなること。
そのため、市民のみなさんが多くおられる京都駅ビルという場所に出かけ、弁護士自身が市民の前に直接に登場して語りかけ、そして、多くの弁護士が必死になって手作りでイベントを成功させるという弁護士会としては、初の、とても冒険的なイベントに挑戦しました。
当日は天候にも恵まれ、多くに市民の方に参加してもらうことができました。
裁判員制度、いよいよ、2009.5.21にスタートします。
京都地裁で実施された法曹三者による裁判員模擬裁判に弁護人として参加しました。
4日間に及ぶ審理と評議が行われましたが、結果は、負け(有罪)でした。6人の裁判員のうち、2人の裁判員が最後まで無罪だと頑張ってくれたのですが、最終的に多数決で負けてしまいました。
被害者が亡くなっており、目撃者もいないという事件で、微妙な証拠を積み上げることによって有罪を証明できるかどうかが問題となった事件でした。
合理的な疑いを越える証明がないと有罪とはできないという、刑事裁判のルールをもっと浸透させていく必要があると感じました。
弁護士向けの雑誌「季刊刑事弁護」(現代人文社発行)に、「戦略的法廷プレゼンテーションの理論と技術」と題する連載を始めました。NPO法人国際プレゼンテーション協会理事長八幡紕芦史氏、弁護士遠山大輔氏との共同執筆です。
4回にわたっての連載です。日本で(たぶん世界でも)初めての法廷プレゼンテーション理論です。

日本でも、2009年5月21日から、一般市民が裁判に参加する裁判員制度が始まります。そこで、裁判への市民参加の歴史の長いオーストラリアに陪審裁判を視察に行き、当地の弁護士、裁判官、検察官、研究者らと懇談し、実際の陪審裁判も傍聴してきました。 被告人の権利を守るためには裁判の公正を図ることが何よりも重要であることを認識させられました。

京都産業会館シルクホールで開催された「裁判員制度全国フォーラム2007in京都」(最高裁判所、京都新聞社等主催)のパネルディスカッションに、弁護士アドバイザーとして参加してきました。ゲストの西村和彦氏(俳優)、奥野史子氏(シンクロ・銅メダリスト)らから、裁判員裁判への市民としての疑問・不安が出され、参加した裁判官、検察官とともにお答えしてきました。会場には、500名近くの市民が参加されており、裁判員裁判をもっとよく知りたいという市民の思いが感じられました。
「裁判員制度の課題めぐり議論 法曹三者ら、下京でフォーラム」

2009年5月までに始まる裁判員制度について市民に理解を深めてもらう「裁判員制度全国フォーラムin京都」(最高裁、京都地裁、京都新聞社など主催)が17日、京都市下京区の京都産業会館シルクホールで開かれた。市民の立場で発言するパネリストと法曹三者の討論があり、約450人の参加者が制度の意義や課題を考えた。
最初に、京都地裁の景山太郎裁判官が裁判員が選ばれる手続きや辞退できるケースを説明し、「できるだけ国民に参加してほしいが、事情がある人に負担をかけない配慮も必要だ」と述べた。
パネル討論では、スポーツコメンテーターの奥野史子さんが「極刑を決めなければいけない場合、『もし冤罪(えんざい)だったら』という思いがつきまとうのでは」と裁判員になる不安を打ち明け、俳優の西村和彦さんは「自分の心の中にあるモラルや正義感と真正面から向き合える」と話した。
京都新聞:平成19年2月18日朝刊

昨年度に引き続き、「刑事弁護実務」について3回にわたって講義を行いました。講義では、刑事弁護の意義・重要性、弁護人の姿勢、実践的な弁護技術について、模擬接見、模擬証人尋問などの実演も交えながら講義しました。ロースクール生は大変熱心に授業に参加してくれ、意識の高さに驚かされました。
弁護人を担当していた準強制わいせつ事件で無罪判決を獲りました。この事件は、病院の超音波検査の際に、検査技師が患者にわいせつな行為をしたとして起訴されていた事件です。被害者とされる女性患者の証言の信用性が重要な争点となっていました。2006年11月から新しく導入された公判前整理手続が行われ、その手続きの中で女性患者の証言の信用性を覆す重要な新証拠を開示させることに成功しました。公判前整理手続をどのように生かしていくことができるのか、ひとつの可能性を見いだした判決だと思われます。
「腹部超音波検査で元技師無罪」
超音波検査に乗じて患者の女性(41)にわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪に問われた某病院(京都市上京区)の元臨床検査技師○○被告の判決が18日、京都地裁であり、東尾龍一裁判長は検査の必要性を認め「わいせつ行為に及んだと認定するには合理的な疑いが残る」として、無罪(求刑懲役3年)を言い渡した。
判決によると、○○技師は昨年7月下旬、腹部などの痛みを訴えた女性の検査を行った。検察側は、その際に下腹部の不必要な部分にまで検査器具を押し当てた、と主張していた。
東尾裁判長は、不必要な部分に器具を当てられたとする女性の供述について「被告に対する悪感情や時間の経過などから表現が誇張されたり、記憶が変容した疑いが濃い」と信用性を否定し、「外観上は正当な検査で、必要性もなかったとは言えない」と認定した。
胸にタオルをかけず、男性1人で女性患者に下腹部を露出させる検査を行った点についても「配慮を欠いた行為だが、わいせつ目的の存在を推測するには無理がある」と結論付けた。○○技師は判決後に会見し「患者に対し一生懸命やっていたのが認められて、うれしい」と述べた。弁護人は初公判までに争点などを整理する公判前整理手続きを5回行った点に触れて「手続きにのっとって、検査直後の患者のメモなどが証拠開示されたため、検察の主張を崩すことができた」と話した。」
京都新聞:平成18年12月19日朝刊
*なお、新聞記事では記載されている被告人の氏名、病院名については伏せさせていただきました。
*このトピックスは、本人の書面による承諾を得て掲載しております。

立命館大学「法と心理研究会」の協力のもと、立命館大学の法科大学院法廷教室で、法廷プレゼンテーションの研修をしました。4名の弁護士とともに、裁判員裁判での冒頭陳述・弁論を実演し、相互評価をしました。
当事務所では、情状が問題となる強盗致傷事件の弁論に挑戦しました。まだまだ、検討・改善の余地は多々ありますが、これまでの研究の成果がある程度、現れてきたことが実感できました。
裁判員裁判で、いかに裁判員、裁判官を説得することができるか、これからの弁護士には、プレゼン能力が求められます。ただ単にパワーポイントを立ち上げればプレゼンができるものではありません。弁護人のメッセージを、裁判員の頭と心にどのように浸透させるか、被告人の基本的人権を擁護するため、これからも日々研鑽していきます。
弁護人を担当していた強盗致傷事件で、警察官による脅迫、利益誘導、弁護人選任権の侵害があり、任意に供述されたものではないとして、警察や検察庁で作成された被告人の自白調書の証拠請求が却下されました。
取調べに問題がなかったとする担当警察官二人の証言の信用性が、反対尋問で崩れました。違法な取調べによる自白は、これまでに多くの冤罪事件を生み出してきました。しかし、そのような取調べは、決して過去の話ではなく、今も行われています。
取調べの録画・録音が、一日も早く、実現されなければならないことが、改めて明らかとなりました。
「取り調べは脅迫、自白調書を却下、京都地裁」
若い男三人が男性を暴行して現金を奪ったとされる事件で、強盗傷害罪に問われた男の公判が十五日、京都地裁であり、東尾龍一裁判長は「机をたたいたり、顔を殴るふりをした取り調べは脅迫に該当し、供述の任意性に疑いがある」として、京都府警の違法捜査を認め、警察と検察の調書計四通を証拠として採用しない決定をした。
仲間二人の公判はすでに終了、うち一人の公判ではこの男の供述調書が採用されており、同じ地裁で裁判官によって判断が分かれる異例の展開になった。起訴状によると、三人は昨年九月、京都市上京区で男性を暴行し、現金約三十万円を奪ったとされる。
中立売署は傷害や窃盗の疑いで三人を逮捕し、地検は強盗の意思を共有していたとして強盗傷害罪で起訴した。男を取り調べた中立売署の捜査員は公判で、殴るふりをしたことなどを認めた上で「行き過ぎはあったが、犯行の再現のため」と主張した。
しかし、東尾裁判長は「被告は当初から暴行を認めており、取り調べの後半に犯行を再現する必要はない。被告に馬乗りになって殴るふりをしたと認められる」と指摘した。その後に男が強盗の意思を認め、自白調書が作られた点に触れ「違法なやリ方で自白を獲得しており、黙秘権を著しく侵害した」と断罪した。
さらに、別の捜査員が「執行猶予の可能性が高く、弁護人は必要ない」という趣旨の発言をしていたことも認め、「弁護人選任権の侵害で、自白に向けた違法な利益誘導だ」と認定した。
検察調書についても、警察の取り調べの影響があったと判断して退けた。仲間二人も公判で、自白の任意性や弁護人選任権の侵害について争ったが、それぞれの裁判長は調書を採用した。
うち一人の審理では、今回却下された男の供述調書も採用された。二人のうち一人は有罪判決が確定し、もう一人は実刑判決を受けて控訴している。男の弁護人は「却下は当然の決定。日弁連などが求めている取り調べの録音、録画の必要性をあらためて印象付けた」と話している。小田武治中立売署長は「地裁の決定内容を十分に検討して対応したい」としている。
京都新聞:平成18年11月16日朝刊
*このトピックスは、本人の書面による承諾を得て掲載しております。